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ロン・ミュエック展@金沢21世紀美術館

個展としては日本発,かつ,最新作の“A Girl”(2006)が日本初公開というのが売りで,2008年4月26日~8月31日まで開催中のRon Mueck展,初日に行ってきました。
GWでもあったけれど,それほど混んでもいなかったかな。

ミュエクの作品を初めて見たのはロンドンのサーチ・ギャラリー。えー,あれはもう5年前にもなるかしら。
彫刻家としての彼のデビュー作品“Dead Dad”はじめ,多くの作品が収められている。一番印象的だったのは物憂げなおっさん天使“Angel”。かなり衝撃的なえづらで,でもめちゃめちゃなまなましい存在感の,人間くさい天使。特に後ろ姿のタポンとしたおしりがかわいかった。あくまでおっさんなんだが。

彼の作品はどれも,蝋人形館で出会う生きているようなヒトガタ,でありつつ,巨人サイズであったり妖精サイズであったりして,リアルでありつつリアルではない,人間サイズじゃないのにとても生身な人間を,生活感や生命力を含め感じさせる。おそろしく緻密な作品づくりにより,作品数は決して多くはない。

今回の展覧会では,A Girlを含め全7作品と,粘土やシリコンの習作数点が展示され,ビデオも2本が上映されている。ビデオは,制作方法・過程を見ることができ興味深い。サーチ・ギャラリー所蔵品含め,金沢には来ていない作品を見ることもできる。

“Man in a Boat”(2002)は通常のボートに,小さなおっさんがぽつんと座っている。彼の小さいおっさん作品は,頼りなげで,なぜか愛らしく,やっぱりキュンとくる。あくまでおっさんなんだが・・・。

カルティエ現代美術財団コレクション展でも印象的だった“In Bed”(2005 写真)と再会。巨大サイズの,ベッドでもの想う女性。視線の漂う先には雨音が聞こえそう。他に誰もいない巨大空間で,前回よりも静かに味わう。

“Mask Ⅲ”(2005)はやはり巨大な,黒人女性の顔。少し斜めから瞳をのぞき込むと,そのまなざしは自信に満ちて,おだやかで力強く感じられ,その先にある世界を信じていいような気がしてきた。土曜日の私には,いい気が流れていたのかもしれない。

“A Girl”(写真)は,くじらサイズであること以外,その柔らかそうな手足や頬をつつきたくなる赤ちゃんそのもので,世の中に生まれ出た命の躍動感がみなぎっている。頭の産毛とか,もうどうにも柔らかそう。

ミニサイズの2作品のうちのひとつ,“Spooning Couple”(2005)は,そのタイトルとは裏腹に,けっこう微妙な空気感がある作品。
ショーツ一枚身につけた上半身裸の女の背後から,ぴったりよりそうTシャツ1枚,下半身裸の男。
生身な部分が,なぜ入れ違っているんだろう。
なぜ二人は,背を丸め,目線を前方に漂わせているんだろう。

他の展示作品は,眠るミュエクの巨大な顔,“Mask Ⅱ”(2001-2002)。
もじゃもじゃの巨大な男の座像,Wild Man (2005)。

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