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小説/梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』

なんていうか,たんたんと
時に現実的に
時に現実離れした
遙かかなたの場所の
遙かかなたの時の
でもなじみのある人間の物語

思いもかけず
最後に押し寄せる感情の波は
予想がついていいはずのものだったかもしれない

でも,歴史には
日々には
思いもかけず訪れる喜びや悲しみもあれば
予想がついていてもどうしようもない悲劇もあって
どうかそうならないでくれと
祈るほかないうねりもある

着陸間際の飛行機の中
その結末にたどり着いて
どうにもどうにも困ってしまった

時は19世紀末
これは昔の
しかし今の物語

身体と情は国境を越えられるのに

彼女の作品にはよく考えさせられる
人間を,壁を,そして希望を

人は時代に翻弄されるけれど
時代をつくるのも人なのだと
心の奥でギュッとこぶしを握る

2作目に読んだ
『春になったら苺を摘みに』でぐっと掴まれ
これでもう陥落
次の旅も彼女の作品とご一緒したい

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