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映画/ルワンダの涙

TOHOシネマズ六本木ヒルズのプレミア・スクリーンにて「ルワンダの涙」を。

いやー,このプレミア・スクリーン,サイドテーブル付きソファーで映画鑑賞って感じで,いいですね~。縮小上映になってから見て,この点はよかったかな?
あと,上映前の注意のためのアニメも面白くて,何度も笑ってしまった。

で,映画。
「ホテル・ルワンダ」で何度も大泣きした私は,今回もそんな覚悟をしてのぞんでいた。
だけど,今回はそうではなかった。

なぜなんだろう
見終わってから考えた。

「ホテル・ルワンダ」は,ルワンダ人が主人公で,当事者としての恐怖や憤り,悲しみが流れ込んできた気がする。善と悪は対峙し,一番の悪は集団虐殺をおこなったフツ族以上に白人だった。
普段人権だのなんだのいっているお前たちは何だと,きれい事ではないかと,罪を突きつけられた。
その感情の爆発の中で,何かしなくてはと思った。

「ルワンダの涙」は,白人が主人公だ。
「自分だったら何かを変えられる」
そんな思いを抱えてルワンダの学校にやってきた,海外協力隊員の青年。
目の前に展開する信じがたい出来事に憤りを感じつつ,対岸にいることを超えられない人間の思い,正義感が無力感に代わる瞬間が描かれる。

こんなにも悪があふれながら,その攻めをおうべき人間はさだかではない。
白人のための高級ホテルではなく,村や学校,教会が舞台のこの作品に登場するのは,フツ族,ツチ族,白人も皆普通の人たちだ。

悩みながら,何かしたいと思いながら,結局何もできないこの主人公は,私だ。
思いは涙として流れ出ることなく内部で渦を巻く。

宗教も大きな位置を占めている。
神を信じるとは,人を信じ,愛するとはなんなのか。
この映画からそのこたえを見いだす人もいれば,欺瞞を見いだす人もいるかもしれない。

「ホテル・ルワンダ」が,意図せず偉業を成し遂げた人の物語であったのに対し,「ルワンダの涙」は,願いながら何もできなかった者の物語だ。

逃げるのがあたりまえだと思っていた男と,逃げるなんてありえないと思っていた男。
皮肉である以上に,対岸にある者ゆえの甘さ,現実を突きつけられた時の弱さが象徴されている。

人間は弱い。
そこから歩き出さなくてはならないのだろう。

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