アートな香川 高松~イサム・ノグチ庭園美術館~
写真は玉藻公園、月見櫓からの景色。
イサム・ノグチ庭園美術館は、週3日1日3回の公開時間に事前予約により見学することができる。往復ハガキによる今ではとってもアナログな手続きをするのは京都御所見学以来だ。
このような見学者の制限、やりとりの仕方は故イサム・ノグチの意思に従ったものなのだそう。そうだよね、早くて簡単がいつでもいいわけじゃない。大切なものにはそれなりの接し方がある。
1時の見学時間まで間があったので、高松港からすぐの玉藻公園へ。
諸行事の会場として利用できる園内の披雲閣もその日公開されているというのであがってみる。映画「春の雪」のロケで使われて、その関係の観光パンフ・ポスターが各所に。
細工がさすがに素晴らしい。
映画では、竹内結子演じる聡子の部屋に使われた。
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イサム・ノグチ庭園美術館は、ノグチのアトリエ跡をそのまま公開したもの。当時の息づかいのまま、道具類も展示されている。
完成品、未完成品、切りたて?含め、屋内外に、大小様々な顔の石が立ち並ぶ。
見渡せば石切場の山が見え、周囲には石材店が建ち並び、まさにここは石の町。
素材にも、手助けしてくれる職人にも事欠かない環境だ。
敷地にあるのは、ノグチがアトリエ、住居として使用していた古民家と土蔵。その周囲では、柿の木が実を付け、周囲の里山が赤く色づく。
タイムスリップしたかのような、その日本の故郷的光景の中に林立する意思を持った石達が、それを独特な空間へと、唯一無二の空間へと仕上げている。
この環境を含む空間すべてがノグチの作品だと、その言葉の意味を実感するひとときを過ごした。
わらを塗り込めた優しい風合いの土壁に、小さくあけられた格子窓。
そこからから見えた空の景色は、本当に美しかった。
その時はまだ展覧会のため東京に出張中だった「エナジーヴォイド」。そのあるべき住処は、やはり東京ではなくここなのだと思われた。
なお、敷地内は一切撮影禁止。様子はウェブサイトを。
固定せずノグチが置いたままの状態で展示されているものもあるため、安全上、また作品保護のために触るのもNGでした。
(倉敷編へつづく)
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