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アートな香川 直島編~地中美術館~

地中美術館は、一通り見て回るだけならおそらくあっという間に通り過ぎてしまうこともできる。それで2000円は高いと感じる人もいるだろう。

でも、私たちの滞在時間は3時間ちょっと。
展示室で気が済むまで時を過ごし、海を臨むカフェでまったりし、ストアを図書室代わりにアートブックを座り読みし(ちゃんとスタッフの人に断ってね)、酔狂にも冬の寒空の下、ナイト・プログラムで夜空を1時間ほど見上げ・・・
空間自体がアート化しているタイプの美術館では、特に何をするというよりも、ただそこで流れる時間と、見える光景に身を浸してみるのが好きなのだ。

安藤による建築は、ベネッセハウスよりも鋭角で、コンクリートと木と緑、それだけなのに、はっとするくらい鮮やかな色彩を見せてくれる。ただでさえ方向音痴な私にはたとえでなく迷路なその空間構成は、ちょっと不安を伴う探検のような楽しさと、実際以上の広さを感じさてくれせた。それを楽しいと思えるのも、時間の縛りがないゆえか。

20の頃、パリはオランジュリー美術館の睡蓮の間に出会って以来、モネの睡蓮と聞けば見に出かける傾向あり。そのため既に見れる物は大概見尽くした感もある今日この頃だけど、それでもいつも違う光と景色を見せてくれるのがこのシリーズ。
今回は、なかでもかなり上質。

モネの部屋の入り口に立つ。
真っ白な壁と床。
視界を遮る左右の壁の間にぴったりと収まるように見えるのは大作の睡蓮。
部屋に入れば四方の壁それぞれに計5枚の睡蓮の池が飾られているのだが、この入り口からの景色が至高。

床は白いタイル張り。でもただの白ではなく、ビー玉のような優しいプリズムに彩られ、睡蓮の池の光と呼応するように空間を和らげる。思わずしゃがみこみ、床をなでてしまったくらい、素敵。

幾組もの見学者が入っては出ていく中、それぞれの睡蓮の前に幾度もたたずむ。
椅子があったらいいのに・・・
でも、ものをおけば入り口からの希有な見晴らしを阻害してしまう。
がまんするしかないか?

タレルの「オープン・フィールド」もかなりおもしろい。だまし絵の世界に入り込むように、おどろきと、仕組みがわかってさえもなお不思議な感覚のマジック。交代制で1組ずつの鑑賞ゆえあまりのんびりしすぎるのははばかられたのだけど、できるなら、もっともっと、たとえばもう完全に視覚が麻痺するまで、床に寝そべっていたかったかも。

「オープン・スカイ」のナイト・プログラムは、毎週金・土に定員制で行われる。ウェブサイトから事前予約の上、別途500円が必要。
「オープン・スカイ」自体は21世紀美術館で無料公開されている「ブルー・プラネット・スカイ」と全く同じで、正方形の空間の上が四角く切り取られ、開口部から空が見えるもの。
これに追加料金をかけ、しかも冬の寒空の下1時間も過ごす価値があるのか!?と思ったが、実際は参加してみて良かった。

ブランケットを受け取って壁沿いの石のベンチへ。プランケットがあってもおしりは冷たいだろうと思ったが、なんと、座面と背もたれ部が暖かい!
温熱システムがあるとはさすが有料!?

下からぬくぬくとなるなかで展開される光のショー。
白い壁と夜空は原色に、パステルに、モノクロームに様々に色をかえ、なんだか催眠術にかかったよう。思わず一部眠りにおちたり・・・

素の夜空を見せるひとときには、横切る飛行機のランプが見えた。
キリッと引き締まった冬の空気は、星も鮮やかに見せる。
この清々しさはやっぱり冬の魅力。寒くても、たまには空を見上げたい。

色鮮やかなライトのショーも夢心地にさせてくれるけれど、ただの空もやはりよい。
だから、それをシンプルに再認識さてくれる21美のタレルの部屋も、やはりよいのだよね。

(高松編へつづく)

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