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映画/サマリア

samaria2004年 韓国
キム・キドク監督
第54回ベルリン国際映画祭
銀熊賞受賞
ストーリー他:公式サイト


少女にイメージされる清らかさとあやうさ

清らかってどんなこと?
心だけじゃだめなの?
汚れるって何?

そんな少女たちの問いかけを
否定するのが大人なのかもしれない
でも・・・

チェヨン役のソ・ミンジョン(写真右)
疑いを知らぬような無垢な微笑み
やわらかな曲線を描く唇
底抜けの善意、愛

一方のヨジン役のクァク・チミン(写真左)
暗い、虞を含んだ射るような瞳
とがらせた唇
反発、憎しみ、嫉妬

対照的で、だからこそ互いを必要としあう二人の少女
でも ヨジンはチェヨンを失ってしまった

人を許すことで
自らも許される

男とベッドに横たわったヨジンがたたえた微笑み
その穏やかさ、清らかさ
すべてを癒すような
悟りを得たような

失われたチェヨンを自分の中に生かして
誰にもできなかったような慈愛の表情を
もう二度と会うことのない男達に注ぐヨジン

敵はいるのではなくつくるもの
そんなことを思う

しかし罪は、罪悪は
決して昇華することなく
地上で贖われるのを待っていた

ヨジンが洗い流した苦しみは
ヨジンの大切な人に流れ込む

ヨジンにとってケガレることは救いへの道だったのに
そのケガレを物理的にこの世から抹消する
そうせずにはいられない愛もあって

罪と許しの物語、問は私たちへと続く

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Comments

kossyさんのところ→http://blog.goo.ne.jp/kossykossy/
にコメント書いてたらいろいろ長くなって、込み入ったのでこっちに。

タイトルからしてですが、宗教的要素が多く入っている映画でした。まず、女子高生ヨジンの部屋にキリストの絵が飾ってあったりするのも「お!」って感じだったし。

第一部のタイトル「バスミルダ」は、寝た男を仏教徒に改宗させたというインドの売春婦の名前です。

サマリアの女もそうですが、宗教の中で描かれる女の性というのも興味深いトピックだなと感じました。宗教書は男が書いてますから。

売春婦と聖女、それは同じ女の中にあるものとしてこの映画では描かれていました。
しかし、少女を買う男達にとって、その少女達と自分の娘は断じて同じ種類の女であってはならないわけです。ヨジンと分かれた後、自分の娘に電話をする男のエピソートが思い出されます。

売春婦と聖女という二つの「理想」の女性像
それを都合良く使い分けようとした男達に向けた、強烈な皮肉と見ることもできるのかな?と思えてきました。

Posted by: neco | Jul 01, 2005 at 09:13 PM

俺は「不器用な男たち」と書いてしまったけど、この女性の両面性をわかっていて行動していたのなら、「男たちのエゴ」と書くべきだったのかなぁ・・・

Posted by: kossy | Jul 06, 2005 at 08:32 AM

kossyさん見に来て下さってありがとうございます。
「わかっていて」かどうかは?ですね。
男たちの頭の中ではその矛盾が矛盾には見えていないのかも、とか。ほんと都合がよい話なんだけど、この映画では、男はなんだか単純な、本能で行動しちゃうような生き物として描かれてましたよね・・・
あ、男はその時赤ちゃんみたいになるってチェヨンが言ってましたね。いや、チェヨンも、後半のヨジンも「女」ですよね~

Posted by: neco | Jul 07, 2005 at 12:14 AM

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