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ベルギー象徴派展@Bunkamuraザ・ミュージアム

行ってみて驚かされた。
正直あまり期待していなかったのだ。

ヨーロッパの宗教モチーフや神秘的な女性の細密画には、文化的に興味を惹かれても絵としてはそう魅力を感じない。
展覧会ポスターに使われたフェルナン・クノップフの絵はまさにそんな感じで、招待券は無駄にしちゃってもいいか・・・くらいに思っていた。

軽く流そうといいかげんな気持ちで入ったのに、視界に飛び込んできた作品たちはしかし、私の心を一瞬でつかんでしまった。
そこには予想外に人間的な、私好みの魅惑的で怖い、醜悪で美しい世界観が広がっていた。
ムンクとかクリムトとかはもともと好きだったし、そう、たぶん象徴派というものが何か、よく解っていなかっただけなのだ。

それともうひとつ。
これほど原画と複製品の差が激しい展覧会もないってくらい、ポスター、会場で売られている絵はがき、図録も、作品の持つ空気や感触を伝えていない。絵はがきに関しては種類も少ないし、作品の選択も大きいけれど、ともかく、そのものを見ない限り、やはり魅力は感じられないのだ。

印象派の絵がキャンパスに光を写し取って描いているとしたら、この作品群たちは闇を、光を描くにしても、それは闇を覆うベールとしての光であったり、闇を作り出す存在としての傲慢な光を描いているように思えた。もちろん美しいものを美しく、幻想的に描いている作品もあるのだけれど、そこに対象への親密さがあるかと言えばそうとは感じられず、その視点はずいぶんとクリティカルで、突き放しているような気もする。

光があるところ必ず陰がある
そんな真理の中に生きている人間の絵、そんな風に思ったり。

ただ幸せな時には見えない世界
死や絶望、孤独がすぐそばにあるような
不安定さと閉息感・・・

しばらくそこに身を浸していると、心臓がきゅっと捕まれているように息苦しくなってきてしまった。
ふう、あぶないあぶない。

特に印象的だったのは・・・
フェリシアン・ロップスの悪魔的でセクシャルな一連の作品「魔性の女たち」と「悪魔のような女たち」
エミール・ファブリの「仕草あるいは秋」

会期は来週末、6/12まで!
気分がくらーい時に見るのは微妙だけど、おすすめです。
公式サイトはこちら

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