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映画/パッチギ!

products-soundtrack世界は、愛で変えられる。

「世界を変えよう!」そんな熱気が若者たちにみなぎっていた60年代の終わり。京都の高校生たちが主役のロミ&ジュリ、フォーク版ウェストサイドストーリー。ストーリーについて詳しくは公式サイトなどで。


青春映画トークショーでみうらじゅんさん、山田五郎さんも大絶賛だった井筒監督の「パッチギ!」を見てきた。みうらさん、「間違いなく最高傑作だから、あの人もう死んだ方がいいよね」とまでの惚れ込みようだった。実は主人公康介が通ってる府立東高校って、みうらさんの母校がモデルなんだって。観光スポット、デートスポットに囲まれた絶好のロケーションにある男子校で、道行くカップルに放送禁止用語を浴びせかけるのが今も受け継がれる伝統だとか。

「イムジン河」はじめ、ザ・フォーク・クルセダーズの名曲の数々が頭の中を回り続ける~


各所で評判が高いこの作品だけど、同時代を生きてきた人にはいろんな感慨があるよう。今の世相的に、「また朝鮮学校のイメージ悪くなる・・・」と懸念する声があるのもわかる。確かに、軟弱な80'sに高校時代を送った私も冒頭からしばらく続くえげつないケンカシーンにはちょっと引いてしまった。
でも、出てくるエピソードの数々は当時を生きた関係者から提供された実話。あったことをなかったように描いては、せっかくのこの映画のメッセージの方も嘘っぽくなってしまうだろう。だいたいどのケンカだって一方的なもんじゃないし、社会的な構造もある。朝鮮学校にだけ眉をひそめる人がいるとしたら、もともと悪意があるんでしょう。
でも、この映画見て、そんなことしか感じない人って実際いるのかな(いたら、悲しいかも)。

この映画の醍醐味は、生身の体で、むき出しの魂でぶつかりあう、そんなまっすぐな青春の姿なんじゃないかな。子どものうちから妙にヨノナカに訳知り顔だったり、若さが幼稚さに置き換わってるような今、逆に新鮮。

重いテーマを描いてるだけあって、説明的なセリフも含まれている。とってつけたっぽい感じや説教臭さがないわけじゃないけど、歴史や時代状況について知らない世代向けには必要なんだろうと思う。

以下はネタばれありなので未見の方はご注意の上。



モーターサイクル・ダイアリーズ同様、この作品でも川が境界を象徴するモチーフとして重要な役割を果たしてる。康介は、恋しいキョンジャがいる向こう岸に向かって、鴨川をざぶざぶ超えた。でも、彼が超えなきゃいけないのは、今からじゃ変えようもない歴史の境界でもあって、後半にはそれに打ちのめされるシーンも出てくる。私的には最も胸が痛んだのがここ。

でも、そこでへこたれないのが60'sの熱い若者。
世界はそれでも変わってきたし、これからも変えられるんだ!って気概は、今こそ見習いたい。

時代の空気って意味ではオダギリ・ジョーのキャラ。一流大学出て酒屋で働いてるかと思ったら、「フリーセックス」の国との噂を確かめにスウェーデンに行き、すっかりヒッピーになって帰ってきたと思ったら今度は自由の女神を見にアメリカに行くという。

一方で、フルート奏者のキョンジャは音楽をやりたいというはっきりした目的を持ちながら、パスポートをもてない身の上ゆえあこがれのウィーンにいくこともできない。(朝鮮に)「帰国するの?」という康介に、「ほんとは他の国にも行きたいんだけどな」と笑った。

こんなふうに、違う人生の選択肢を突きつけられている二つのグループの壁を超えられるのか、壊せるのか・・・。少なくともこの映画の登場人物たちは超えようとした。

映画の最後に、ドライブデートに出かけようとする数年後の二人が登場する。
「どこに行く?」と尋ねるキョンジャに、「キョンジャの行きたいとこならどこへでも」ととびきりの笑顔で答えた康介。

   好きな人のためならどこへでも

そんな大人になると忘れがちなベーシックな気持ちが、どこにでも行ける世界をつくっていくのかもしれないよね。

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